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2007'05.13.Sun
マトリョーシカ人形?

昨日東京都美術館でのロシア絵画企画展のイベントで
とあるコンサートを聞いたと書きましたが、それが何の楽器だったかというと・・・。

テルミン

だったのですっ!!!

テルミン、それは20世紀始め、ロシア人物理学者が発明した世界初の電子楽器。

てなわけで、この講演はロシア絵画展の企画として開かれたものですが、
司会者の話では、日本におけるテルミンの第一人者、竹内正実さんによるテルミン演奏、
及び、竹内さんが開発した「マトリョミン」の演奏。というものでした。

・・・マトリョミン?

どんな楽器か凄く気になりますが、とりあえず後半のお楽しみと言うことで、
早速テルミン演奏から始まりました。

私の持っていたテルミンの知識といえば、
・世界最古の電子楽器
・恐怖系の効果音に使われる
・数年前ドキュメント映画が公開されて話題になった
ぐらいしかなかったのです。

それが、楽器が鳴り出した瞬間、びっくり!
前半はテルミンとピアノのアンサンブルだったのですが、
次々とクラシックの名曲を奏でていくのです!

なにせ、私のテルミンに抱いていたイメージは「ホラー」ですから
もっと不思議な曲とか、ピコピコ電子音の曲が続くのかと思っていたら大違い。
あれは本当に普通のソロ楽器ですよ! しかも二つとない音色!
良く例えられるそうですが、人が歌っているような音がするんですね。
凄い楽器だなぁと、テルミンのイメージを根底から覆されました。

いやいや、やはり演奏者がすごいんです。
普通にテルミンを弾こうとすると、切れ間の無いサイレンみたいになってしまうのですが、
まるで、見えない琴を奏でているような手つきで、段階的に音階を紡ぎ、
他の楽器と同じように、明確なメロディを奏でることができるのです。
演奏法をマスターするには、もの凄く苦労するらしいですが、
さすが世界的テルミン奏者と言われる方の演奏でした。

まあ、百聞は一見にしかず。
竹内さんが公開されているYouTube動画をご覧ください。



テルミンは楽器に一切触れることなく、手で電波を遮断する動作で音を出すため、
体はできるだけ動かさないように、直立不動で演奏するそうです。
聞いただけでも辛そう・・・。(実際辛いらしいです)

* * *

数曲演奏したところで、発明者レフ・テルミンの数奇な人生が紹介されました。
彼は1920年、24歳でこの楽器を開発し、ロシア国内はもちろん
ヨーロッパ公演も成功させ、大ブームを巻き起こすのですが
レーニンの国家政策とて利用価値があると認められ、
本来電子工学の分野で類まれなる才能を持っているにも関わらず
テルミン演奏を普及するためにアメリカはNYに行くことになるのです。

そこで約10年ほど活動を続けるのですが、1938年に突然NYから姿を消します。
この失踪にはいろんな解釈があるそうですが、
何らかの理由で国に戻らなければならなくなったという説が有力だとか。
なにせソビエト連邦の時代ですからね。
彼はスターリンの粛清で謂れの無い罪に問われ、シベリア送りの刑が確定しますが、
その天才的な電子工学の才を認められ、秘密裏に研究所での開発を命じられます。
そして四半世紀、歴史の表舞台から姿を消すことになるのです。

彼の秘密研究所での発明品には、窓の振動を電波で感知する盗聴器
なんてものもあるそうです。
1960年代になって、テルミンは晴れて自由の身になりますが、
世間ではすっかり忘れ去られた存在。
以後、晩年はとても不遇な生活を余儀なくされたと言うことです。

私はこのテルミンさんの数奇な運命を、身を乗り出して聞いていました。
とにかく今すぐ映画「テルミン」を見なければならない!!
すぐにDVDを借りに行ってきたいと思いますっ!!!

* * *

さて、テルミンさんの話が長くなりましたが、コンサート感想に戻ります。
後半は、2台のテルミンとピアノによるアンサンブル、
さらに3台のテルミンとギターによるアンサンブルが演奏された後、
いよいよ「マトリョミン」の正体が明かされます!!!

なんと、その楽器は開演時から舞台にありました。
何気なく椅子に置いてあったマトリョーシカ人形。
それが「マトリョミン」の正体だったのです!!!!!

勘がいい人は初めで気づきますよね。
でも、私はそれが出てくるまで全く気づきませんでした・・・。
同行者と「あの人形とか、そんなわけないよね」って言ってたんですよ。

竹内さんと他6,7人のマトリョミンアンサンブルが演奏されました。
やはり小型のためか、テルミンほどはっきりした音階を奏でるのは難しそうでしたが
一番のウリは、テルミンのように直立不動ではなく
椅子に座って足を組んだ、ギターを弾くような格好で演奏できること。

曲は、オリジナルあり、民謡あり。
ビートルズや、ワーグナーなどの有名曲もある楽しいものでした。
この「マトリョミン」、今まで2000台を売ったということ。
池袋や渋谷でマトリョミン教室が開かれているそうです。
そして、このアンサンブル「マーブル」のメンバーの皆さんは、
今までロシアツアー、ヨーロッパツアーと、海外での公演もされたということです。
いやはや、知らなかったのがお恥ずかしい。

* * *

そんなこんなで、内容充実、驚愕満載の2時間でした。
終了後、会場外の物販ではCDや限定モデルマトリョミンを求める人だかりができてました。
私も衝動買いしそうになりましたが、もう少しテルミンやマトリョミンについて
勉強してからにしようかなと思い、パンフレットを貰って帰途に着きました。

何故ならば、見聞きしたことだけで腹いっぱいになってしまったんだよ、今日は。
まさかコンサートがこんな長くなるとは思ってなく、
昼ごはんを食いっぱぐれてたので、実際のお腹は鳴りまくってましたが。

そんなわけで、これからいろいろ調べてみたいと思ってます。

テルミン奏者・竹内正実さんのHP

「マトリョミン」開発会社のHP

映画「テルミン」公開時のHP
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