あしながおじさん

今さら読みました。
時々、まだ読んでない名作を読みたくなることがありまして。
本当は普通の文庫が欲しかったんですが、本屋に置いてなかったので
児童書を出してる偕成社のものを購入。

でも、結果的に児童書にして正解でした。
アメリカではメジャーだと思われる作家とかその書名がたくさんで
いちいち調べるのは大変ですからね。
その点、児童書は注釈が充実してて読みやすいです。
しかもこの偕成社版は完訳。

読み出すと止まれないぐらい面白かったです。
全体は主人公ジュディがあしながおじさんに宛てた、
毎日の出来事を報告する日記のような文体なのですが、
時々、彼女の信念や譲れない想いを語る部分があって
そこが凄く心に残りましたね。

中でも、ジュディが孤児院という惨めな出生を持ちながら
幸福なのが当たり前という少女たちの中で暮らしていることについて、
「私は生きているどの瞬間も幸福だということを知っている」
といいます。また、
「たいていの人は＜生きて＞いません。
　ただ人生というレースの上を走っているだけです」とも書いてます。
頭をかなづちでガーンと叩かれた気がしましたよ。
ああ、私って、息してるだけだなぁ・・・。
ただ、何も生み出すことなく酸素を二酸化炭素に変換してるだけだなあ・・・。

てなことは置いといて。

やっぱりもう少し若い時に読んでおくべきでした。
すでにジュディよりあしながおじさんのほうに年齢が近い自分。
ジュディが他の男の子と会うと分かると、必死で止めるおじさんに
「おいおい、いい年こいて独占欲強すぎるんじゃないのー」
というツッコミを入れてしまいたくなりました。
歳とるっていやですね。