エッシャーとバッハ

スーパーエッシャー展
（於Bunkamura ザ・ミュージアム）



M.C.エッシャー。

高校時代に図書館にあった図録でその魅力に惹かれ、
ちょうど10年前、新宿で開かれていた展覧会も見に行った、
私が一番尊敬し、敬愛する芸術家です。

そんなわけで、今回大規模な回顧展が催されることはもちろんチェック済みでしたが
開始直後に行った友達に「混んでた」情報を聞いたのと、
場所が「できれば行きたくない街No.1（人多くて）」の渋谷だったので
なかなか行かずにいたら、終了前日になっちゃったよ！！！

てなわけで、ようやく行ってきました。
さすがに終了直前だけあって、人大杉！！
チケット買うまでに20分待ち。ここはTDLか？
こんなことなら、去年の間に来ておくべきだった・・・。

と、後悔したのもつかの間、一歩会場に入ったら驚いたことがたくさん！

まずは、作品内容なんですが、前回私が見たのは「甲賀コレクション」と言って
日本人のエッシャー愛好家の所蔵物の展覧会だったのですよ。
が、今回は画家の多くの作品を所蔵するオランダ・ハーグ市美術館主催の
展覧会なので、始めてみる作品が結構多かったです。

特に学生時代の作品や、「24の寓意画」というシリーズには目を奪われました。
また、鉛筆やペンなどによる習作も展示されていて、
中でもびっくりしたのは、クレヨンで色鮮やかに彩色された作品でした。
エッシャーの作品でこんなに色がついたものを始めてみました。
（カラーの版画は多いんですけどね）

そしてそして一番驚いたのが、音楽の図式化！
エッシャーはバッハの音楽が特にお気に入りだったらしく、
平均律クラヴィーア曲集の第１曲を図解していたのです。
やり方はこんな感じ。

1.螺旋模様を二つかみ合わせるように書く（ひとつが右手、ひとつが左手）
2.中心から螺旋の線に向かって棒を引く
3.棒が短いと高い音、長いと低い音を表す
4.棒の長さが決まったらそれを境に色分け。円盤が二つできる（右手と左手ね）
5.音楽にあわせて円盤が回転するように変わっていく。

文字で説明するのは難しいですね・・・。
実際に彼が表現したのは最初の4小節だけなんですが、展示では
全曲分、音を流しながら映像で見せてました。


■文明の利器！

さて、前回エッシャーの展示を見た時にはなかったものが会場にありました。
それは・・・

音声ガイド付き、任天堂ＤＳLiteによる展示説明！！

希望者には全員に貸し出してくれます。
展示作品の中から30点ピックアップされていて、
その展示の前に来て、画面をピッとやると、説明をしてくれるのです。
また、プロローグやエピローグも聞けて、彼がどんな人だったのか、
どうして不思議な絵を描くようになったのか、などの人生も語ってくれます。
いやー、ＤＳってすごいなー。（そっちか）

また、最近はＣＧも発達しているので、
エッシャーの描いた立体分割の3Ｄ映像なども見れました。
ハイビジョンテレビぐらいのでかいタッチパネル画面で
自分の視点を変えられるのですよ。これも一昔前にはなかった展示方法ですね。


■閲覧後のお楽しみ

・・・といえば、ミュージアムショップ。
美術展に行くと、特に好きな作家の場合はカタログ、
そうじゃない場合は気に入ったポストカードを買うことにしてるんですが、
今回は中身も確かめずに速攻カタログゲット。
上の写真がその図録です。ハードカバーで豪華。そしておしゃれ。
説明もかなり丁寧でいい感じです。

あと、悩んだ末にトートバッグを買ってしまった・・・。
だって、ルートートなんだもの・・・。

ショップを出た先で人だかりになってたのは、ガチャガチャ。
フィギュア（300円）とファスナーアクセサリー（200円）があって
私がやったのは後者のほうです。


混んでいたし、作品の数も多いだけあって、見ていた時間はなんと3時間超！
明日で終わってしまいますが、気になった方はラストチャンス。
週末のアート分補給にいかがですか？
（すごい人出だと思うんですが・・・）